厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

健康関連事業に携わる社員がまず健康であるべきとの考えのもと、
「サンスター心身健康道場」で研修を実施

サンスター株式会社

総務部 コミュニケーション推進グループ
グループ長 井上賢一氏

会社名
サンスター株式会社
所在地
大阪府高槻市
事業内容
製造業
設立
1950年11月
従業員数
1043名 (2022年1月現在)
平均年齢
43.6歳/男性7:女性3
産業保健スタッフ
5名

創業以来「常に人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」という社是を掲げ、世の中に必要とされる商品やサービスを提供しています。健康関連事業に携わる社員がまず"健康であるべき"との考えのもと、「サンスター心身健康道場」で研修を行っています。

何がきっかけで治療と仕事の両立支援に取り組まれたのでしょうか?

大阪労働局より健康に取り組んでいる企業として両立支援取組事例報告の依頼があり、大阪府地域両立支援推進チーム会議の講演をさせていただきました。

両立支援に取り組む基本的な考え方や基本的な方針を示したものはありますか?

治療と仕事の両立支援に取り組むにあたっての基本方針や、具体的な対応方法等の事業場内ルールについては明確に定められてはいませんが、サンスターは社是に「常に人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」を掲げており、サンスターグループ全体でグローバルヘルス・コミュニティを組織化し、日本においてはサンスター財団が健康推進を担っています。

具体的な両立支援の仕組みや支援制度をお聞かせください。

人事、総務、従業員組合、健康推進室の産業医及び保健師、サンスター財団、健康保険組合の実務者が健康推進会議を行っています。また医療職(産業医​・メンタル医・​臨床心理士・保健師)による支援や保健指導を実施しています。

実際に両立支援された具体的事例はありますか?

<肺がんにてステージ4となったケース(営業職)>
本人の意思を尊重して健康推進室へ異動し、自ら健康に関する講演会を社内各事業所で実施しました。人事部が本人との話し合いを重ね「社員の皆さんがどれだけ健康でいられることが大事であるか」について社員に対しセミナーを実施したいという意思を伝え、経営層のバックアップもあり異動が実現しました。

<副腎がんを患ったケース(企画職)>
コアタイムなしのフルフレックス制度を活用し、在宅にてテレワークを実施し、手術後は自宅療養となりました。業務がデータ分析であり、在宅勤務の環境が整っていたことが後押しとなりました。

<惜しくも社員をなくしたケース(研究職)>
ご家族に対して、グループ内で家族が働ける環境を作りました。

<その他>
緩和治療を受けながら最後まで働くことを望まれた方に、最後まで仕事を提供し仕事を通じて少しでも長く生きるための生きがいや張り合い、社会との関係を維持しました。

その他特記事項(研修等による意識啓発・労使の協力等)がございましたらお聞かせください。

人間が本来持っている生理機能「自然治癒力」の向上を目指して、社員が生活習慣の改善による心と身体の健康作りを学び、体験するための施設「サンスター心身健康道場」を事業所内に1985年4月に設立しています。「サンスター心身健康道場」は生活習慣の改善に取り組む気付きを提供する施設で、食事、運動、心(睡眠)それぞれの面からの施策で健康を目指しています。特定保健指導対象者には診療所により個々のレベルに応じた保健指導を定期的に実施し、動機づけ支援、積極的支援として2泊3日の健康指導プログラムを実施しています。

今後の展望・課題をお聞かせください。

「令和3年度治療と仕事の両立支援オンライン地域セミナー」に参加させていただき、他社の皆様の取組事例や考え方などとても参考になりました。今後基本方針やルールなどを整備していき、制度として確立したいと考えています。

取組事例一覧