厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

安心して長く勤められる会社にすべく、治療と仕事との両立支援規程を作成

協業組合 九州ロジテックカーゴ

管理部 本部長理事 武富 洋二郎氏

会社名
協業組合 九州ロジテックカーゴ
所在地
佐賀県佐賀市
事業内容
運輸業・倉庫業
設立
1971年4月
従業員数
92名(令和4年1月現在)
平均年齢
39.9歳/男性9:女性1
産業保健スタッフ
5名(産業医1名、看護師1名、衛生管理者1名、衛生推進者2名)

協業組合九州ロジテックカーゴは1971年4月、佐賀板紙(株)の運送事業を営む運送会社4社が協業化して設立されました。創業以来、お客様に喜んでいただける最高の物流サービスを提供するために社員一丸となって様々な課題に取組、そして解決し、更なる高みへと挑戦し続けてきました。治療と仕事の両立支援規程を作成し、制度を明確化し、安心して治療に専念する環境整備を行っています。

何がきっかけで治療と仕事の両立支援に取り組まれたのでしょうか?

私が総務関係を担当するようになった際は休職して治療をしている従業員はいませんでしたが、原因不明の高熱で入院した従業員が私の直属の部下であった為、会社の支援制度はどうなっているのか、安心して治療に専念してもらうにはどうしたら良いかと考え、たまたま立ち寄った産業保健総合支援センターで両立支援についてご相談させてもらったことがきっかけです。

両立支援に取り組む基本的な考え方や基本的な方針を示したものはありますか?

治療に専念できる環境づくりと、復帰後の支援はどういったものがあるかがわかる規程を作成し、労使会議、安全衛生委員会などで周知しました。安心して長く勤められる会社にしたいという思いが基本的な考え方です。

具体的な両立支援の仕組みや支援制度をお聞かせください。

両立支援を行うためには自らがもっと知ることが第一と考え、両立支援コーディネーターの基礎研修を受講しました。並行して治療と仕事の両立支援規程を作成し制度を明確化しました。時差出勤や半日単位有給休暇、2時間以内の通院外出については業務扱いとするなどの制度を就業規則に追加し周知しました。

実際に両立支援された具体的事例はありますか?

高熱が続き入院した従業員のケースでは、原因がわからず本人・家族は不安な思いをしていました。その後、指定難病(原発性免疫不全症)に罹患していることがわかり、骨髄移植から入院、そして退院から自宅療養、復帰までの道のりを検討しました。精神的、金銭的な不安を解消するために両立支援に取り組みながら安心して治療に専念する環境整備を行いました。治療中は職を失うのではないかという不安が一番強いということでしたので、復職後の支援について休暇制度や時差出勤、業務中の通院外出などの制度があることを説明し、現在は職場復帰し制度を利用しています。完全に復帰できるよう今後も支援していきます。

社外資源の活用状況についてお聞かせください。

両立支援に取り組むきっかけとなった「仕事と治療の両立支援規程」の作成や制度の見直しなど産業保健総合支援センターの協力がなければ現在の支援や制度の周知などできていなかったと思います。丁寧に相談にのっていただけたことで、より良い環境整備ができました。

今後の展望・課題をお聞かせください。

この支援制度を利用する従業員が増えない方が良いのですが、もし両立支援を必要とする従業員がいる場合は、現在の経験を生かし安心して治療、復職できるよう職場環境をより良いものにしていかなければと思います。大企業と比べれば知識や経験がないので、病気に合った支援ができるかどうかが今後の課題になると思います。

取組事例一覧