厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

”人を大切に、物を大切に”という基本理念に基づき両立支援をサポート

徳三運輸倉庫 株式会社

総務 課長 辺見有太氏

会社名
徳三運輸倉庫 株式会社
所在地
静岡県静岡市
事業内容
物流事業(運輸・倉庫・製造)業
設立
1984年3月
従業員数
250名(2022年1月現在)
平均年齢
43歳/男性8.7:女性1.3
産業保健スタッフ
1名

1984年の創業以来、地場産業でもある製紙会社の商品配送をスタートの足がかりとして30年以上企業活動をつづけてまいりました。様々の企業様からロジスティクスとオペレーションサポートのご依頼を受け、ご信頼を賜っております。風通しの良い職場環境とすることで、早めの報告・早めの対応を可能にし、復職までのフォローや両立支援をサポートしています。

何がきっかけで治療と仕事の両立支援に取り組まれたのでしょうか?

元々、従業員の高齢化に目を向けて、福利厚生としての保険加入からスタートしました。実際にがんや様々な病気に罹患した従業員を何とか安心して治療に励み、より良い復職につなげられるよう手を尽くしてきた結果として、現在の両立支援の形となっています。

両立支援に取り組む基本的な考え方や基本的な方針を示したものはありますか?

弊社ホームページにもあるように、”人を大切に、物を大切に”という基本理念に基づき、両立支援を行っています。この理念をもとに、「運転者職場環境良好度認証制度」「ふじのくに健康づくり推進事業所宣言」等の認証や宣言の活動も行っています。

具体的な両立支援の仕組みや支援制度をお聞かせください。

総務部を設置窓口として休職規定や傷病制度、復職のための支援などを総務スタッフや両立支援コーディネーターが行っています。
制度として他社のお手本となるようなものはないのですが、入社3年以上の経過者には福利厚生として全員がん保険に加入しています。
罹患した際の報告やフォローがしやすいよう、風通しの良い職場環境とすることで早めの報告・早めの対応ができる風土としています。報告を受けたらすぐに面談対応し、必要に応じて通院に同行し、医師との面談を通して復職までのフォローや両立支援をサポートしています。
この際、通院の同行から医師との面談まで全て本人の同意を得て行い、個人情報も総務内で保護しています。

実際に両立支援された具体的事例はありますか?

過去にがんや白血病・脳梗塞等に罹患した従業員はすべて通院に同行し、医師からヒアリングし、その意見と本人の希望をもとに両立支援を行いました。復職に向けては作業内容を的確に伝えるために実際の作業を動画で撮影して医師に見てもらったり、必要に応じてリハビリにも同行したりして、どのような作業をどの程度行って良いか、どの程度の通院や休暇が必要かを確認しています。
また決して小さな病気ではないことも多いため、家族とも面談することで本人・家族としてどのように考えているかどのように働きたいかも確認しながら、コミュニケーションを重視しながら両立支援を進めています。

その他特記事項(研修等による意識啓発・労使の協力等)がございましたらお聞かせください。

社内メールでの啓発活動や会議での啓発、ドライバー等の従業員へは点呼時や安全会議時に資料等を活用して啓発しています。
労使間では、両立支援が必要な従業員に対する業務フォロー(代替従業員による業務カバー)等での対応を行っています。
また両立支援を進めた結果、これまで以上に採用活動も発展し特に若年層の採用が活性化しました。

今後の展望・課題をお聞かせください。

重症化率等を踏まえると、以前よりは落ち着いているとはいえ、コロナ禍の状況での通院や、リモートでの医師へのヒアリング等、両立支援自体もこれからの時代に対応した両立支援のあり方という部分も出てくると思っています。
両立支援の現場の実態・最前線として、時代に即した対応の仕方を模索していくことが両立支援全体の課題となっています。

取組事例一覧