厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

人手不足に悩まされている建設業界で、
治療と仕事の両立支援に取り組むことにより人材を確保

株式会社佐藤庫組

専務取締役 佐藤 崇史氏

会社名
株式会社佐藤庫組
所在地
秋田県北秋田市
事業内容
建設業
設立
1941年9月
従業員数
76名(2021年12月現在)
平均年齢
47.3歳/男女比 男性9:女性1
産業保健スタッフ
2名(衛生管理者1名、産業医1名)

「地域と人間の環境を創る」をテーマに秋田県秋田市に根ざしている建設会社。慢性的な人手不足である業界で治療と仕事の両立支援に取り組むことが人材確保の一助となっています。

何がきっかけで治療と仕事の両立支援に取り組まれたのでしょうか?

従業員からの相談を受け、何か会社としてできることはないかと考えていた時に監督署の専門官と話す機会があり、相談したところ両立支援の制度があると教えていただき取組を始めました。

従業員の両立支援に取り組む基本的な考え方や基本的な方針を示したものはありますか?

従業員やその家族が病気になったとしても従業員が当社で働き続けたいという意思がある限り、その思いを尊重し、全力でサポート・支援するということが会社方針です。

両立支援を行うための仕組みや支援者・支援制度をお聞かせください。

各部門の上席上司と専務、2つの相談窓口があり、従業員が相談しやすい方を選んでもらう仕組みです。
報告や相談を受けてからは個人情報保護の観点から専務が担当となり、個人情報を十分に管理した上で、各部門の担当や外部機関との調整を行い、従業員の意向を踏まえた支援を行います。
支援制度は治療に合わせて使いやすいように30分単位の休暇制度等も設けてありますが、定めた制度に固執することなく従業員と話し合い、従業員の意向に沿った形で柔軟に支援していくこととしています。

実際に両立支援された具体的事例はありますか?

実際に従業員自身が病気になっての事例はまだありませんが、従業員の子供の病気の治療に関して支援を行った事例があります。医師から保護者として近くにいてもらいたいという指示がありましたが、コロナ禍の影響があり病院に宿泊できないことから病院近くのホテルに宿泊生活することになりました。従業員から相談を受けて看護休暇申請を受け、両立支援制度を実施し、給与面の補償も行うこととしました。事情を勘案して現場代理人変更を行い、子供の治療中は業務のことを考えなくてもいい体制にしました。
もちろん、従業員自身が病気になったとしても、当社としては従業員が治療をしつつ働き続けることができるように、従業員に寄り添った両立支援を行っていきます。

今後の展望・課題をお聞かせください。

建設業界は人手不足の業界と言われています。今の従業員を大切に支援して、「この会社にいて良かった」と思われるような体制を柔軟に取っていきたいと思っています。従業員に働き続けてもらうことで会社にとってもメリットがあると思っており、そのために様々な制度の情報を得て実施できる体制の構築が必要だと思っています。

取組事例一覧